■原因
一般的に、肺がんは50歳以上での発生率が急激に増加します。
肺喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性で2.8倍肺がんになりやすいといわれています。
また下記の方場合には、肺がんのリスクが高くなる考えられています。
・慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)に罹患している
・職業的曝露(アスベスト、ラドン、ヒ素、クロロメチルエーテル、ロム酸、ニッケル)を受けたことがある
・過去に肺がんに罹患したことがある
・家族に肺がんに罹患した人がいる
■主な症状
肺がんには特有の症状がなく、他の呼吸器疾患との区別がつきにくいことから、肺がんになっても早期のうちは見過ごされやすい傾向があります。
一般的な症状として最も多くみられるのが、治りにくい咳です。その他にも、胸の痛み、血痰(けったん)、息切れ、呼吸時のぜーぜー音(喘鳴)、声がかれる(嗄声)、顔や首のむくみなどがみられることもあります。
■診断方法
・胸部エックス線検査…胸部を正面と側面より見る検査です。肺にがんを疑う影がないか調べます。
・胸部CT検査…胸や肺を輪切りにして見る検査です。がんの存在、大きさ、性質、周囲の臓器への広がりなどを調べます。
・胸部MRI検査…肺がんと血管や肋骨や背骨との関係を観察する、あるいは腫瘍の性状を見る検査です。
・PET検査…ブドウ糖につけた少量の放射性物質を静脈に注射します。ブドウ糖ががんに集まるので、がん病変の有無や位置が分かります。
・腫瘍マーカー検査…がんを持った人の血液、尿、身体組織中に特徴的に産生される物質で、血液検査などで測定します。
・喀痰細胞診…痰の中に出てきたがん細胞の有無を調べる検査です。胸部X線検査で見つけることが難しい肺門部のがんを検出できる可能性があり、X線検査と併用することがあります。
・気管支鏡下検査・生検…直径5mmほどの細いしなやかな内視鏡を、鼻や口から挿入して気管支の中を観察し、がんが疑われる部位の細胞や組織を採取する検査です。
・胸腔穿刺…がん細胞を調べるために、針を使って、胸水を採取し、採取したものを顕微鏡検査し、肺がん細胞を探します。
■治療方法など
肺がんは、小細胞肺がん、非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)に分類されています。
・非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)…小細胞肺がんより頻度が高く、通常ゆっくり成長し広がるとされています。
・小細胞肺がん…非小細胞肺がんより頻度は少ないです。急速に成長し、体の他の器官に広がり易いとされています。
・外科療法…がんを取り去る手術です。手術方法は、肺がんの位置によって異なります。
・化学療法…体中のがん細胞を消滅するために抗がん薬を使用することを指します。一般的に、抗がん剤は静脈注射あるいはカテーテルにより投与されます。内服の抗がん剤もあります。
・放射線療法…がん細胞を殺すために、高エネルギー光線を使用します。一般的に、手術前にがん細胞を縮小させる目的で行われたり、手術後に見えるがん細胞を切除できても、目で見えない、検査でもわからないがん細胞が残っている可能性を考えて行う場合もあります。
■お勧め運動メニュー
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。