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病気辞典

卵巣がん

■原因

 

発症年齢は40代から増え始め、50~60代でピークを迎えるとされています。近親者に卵巣がんや乳がんにかかった人がいる場合は、いない人に比べて発症の確率が高いといわれています。
 
また、直接的な原因は不明ですが、危険因子として以下のものが考えられています。
・妊娠、出産経験が少ない人
・骨盤内炎症性疾患
・婦人科系疾患(多のう胞性卵巣症候群や子宮内膜症)
・生活習慣(肥満や食事)
・排卵誘発剤の使用
・10年以上にわたるホルモン補充療法をしている人

 

 

■主な症状

 
【初期】
症状ほとんどないといわれています。
 

【進行した場合に現れる自覚症状】
腫瘍が大きくなり、お腹が圧迫されるため、以下のような症状があらわれることがあります。
・下腹部にしこりを触れる
・お腹の張り
・膀胱が圧迫されて尿が近くなる
・食欲の低下
・腹水や胸水が貯まる

 
 

■診断方法

 
一般的に、以下のような検査が行われています。
①内診・直腸診
・内診…子宮や卵巣の状態を腟ちつから指を入れて調べます。
・直腸診…直腸やその周囲に異常がないかをお尻から指を入れて調べます。
 
②超音波(エコー)検査
卵巣腫瘍の性質や状態、大きさをみたり、腫瘍と周囲の臓器との位置関係を調べたりします。
より近くで子宮や卵巣を観察するため、腟の中から超音波をあてて調べる経腟超音波断層法検査を行う場合もあります。
 
③画像検査
・CT検査…X線を利用して卵巣から離れた場所への(遠隔)転移の有無やリンパ節転移などを確認します。
 
・MRI検査…磁気を利用して周囲臓器への腫瘍の広がり(浸潤)や腫瘍の大きさ、性質や状態などを確認します。
 
④細胞診・組織診(病理検査)
・細胞診…胸水や腹水などにがん細胞が含まれていないかを検査します。
・組織診…手術で採取した組織を検査し、良性・境界悪性・悪性の判定および組織型の判定を行います。手術前に境界悪性や悪性が疑われた場合には、手術の範囲を決めるために手術中に病理検査を行うことがあります。
 
⑤腫瘍マーカー検査
体のどこかにがんが潜んでいると大量に産生される物質(腫瘍マーカー)の量を血液検査で測定する検査です。

 

 

■治療方法など

 

まず手術を行ってがんを可能なかぎり取り除き、その後に化学療法を追加するのが基本とされています。
【外科治療】
①基本的な手術法
両側の卵巣と卵管、子宮、大網を摘出する手術が一般的です。
 
②腫瘍減量術
完全には切除できない場合でも、できるだけ多くのがんを摘出することを目指す手術です。
残存する腫瘍の大きさが予後に関わるため、転移が大腸・小腸にある場合には腸管部分切除、横隔膜にある場合は横隔膜切除、脾臓にある場合は脾臓摘出を行うことがあります。
 
③腹水細胞診:病期を決定するために行うことがあります。
・腹膜生検
腹膜上に小さなかたまりが認められた場合に、腹膜播種の有無を確認します。
 
・後腹膜リンパ節郭清または生検
病期を決定するために、範囲を広くリンパ節を取る後腹膜リンパ節郭清や腫れている一部のリンパ節の生検を行い、リンパ節転移の有無を確認することがあります。
 
※手術後の合併症によって、更年期障害のような症状や性機能障害、リンパ浮腫などが現れることがあります。
 
【放射線治療】
再発した場合の疼痛などの症状を緩和するために行うことがあります。
 
【薬物療法】
①化学療法
細胞障害性抗がん剤を用いて、がん細胞を破壊する治療法です。
細胞障害性抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼすといわれています。
特に毛根、口や消化管などの粘膜、骨髄など新陳代謝の盛んな細胞が影響を受けやすいといわれています。一般的に、脱毛や口内炎、下痢が起こったり、白血球や血小板の数が少なくなったりすることがあります。肺や腎臓に障害が出ることもあります。
 
②分子標的治療
がんの増殖に関わっている分子を標的にしてその働きを阻害します。卵巣がんの場合、化学療法と併用して行われることがあります。

 
【リハビリテーション】
・排尿や排泄の障害に対するリハビリ
手術によって排尿や排泄に障害が起こり、排尿がうまくできない場合には、カテーテルを尿道から膀胱へゆっくり挿入し、カテーテルを通して尿を出す間欠導尿法を行うことがあります。

 

 

■お勧め運動メニュー

 

 

 

 
 
 
 
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。

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