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病気辞典

関節リウマチ

■原因

 
原因はいまだ不明ですが、遺伝的な要因に出産や喫煙、感染症などの環境的な要因が重なって起こると考えられています。これらの要因によって、免疫系(細菌などから体を防御するシステム)に異常を起こし、関節を守る組織や骨、軟骨を外敵とみなして攻撃して壊してしまうといわれています。
 
また、女性が男性の4倍ほど多く、発症が最も多い年齢は30~50歳代いわれています。

 

 

■主な症状

 
主な症状として、以下のようなものがあります。
【関節に起こる症状】
①朝のこわばり
朝起きてすぐに手が開きにくい、体を動かしにくいなどの症状が、起きて30分程度続くことがあります。

②関節の痛みや腫れ
痛みや腫れが左右対称に現れるとされています。また、多くの関節が同時に腫れたりすることもあります。特に、手首や手の指の付け根や第二関節が好発部位といわれています。

③関節の変形
関節炎が進行すると、関節の軟骨や骨が破壊され特有の関節変形が起こることがあります。
 

【関節外症状】
貧血、発熱(37℃台)、倦怠感、食欲不振、体重減少などの全身症状のほか、さまざまな部位で症状が現れる可能性があります。
①呼吸器系疾患
自己免疫の異常、病原体の感染、薬剤の影響などにより、間質性肺炎や肺線維症、気管支拡張症、気管支炎などを合併しやすいといわれています。

②二次性アミロイドーシス
炎症が長期間継続することで、アミロイドという物質が消化管、腎臓、心臓などに沈着し、消化管では便通異常、下痢などの症状、腎臓では腎機能障害(蛋白尿、腎不全など)、心臓では不整脈や心不全が現れることがあります。

③リウマトイド結節
肘の外側や膝の前面など、圧迫されやすい部位の皮下に小豆大から大豆程度の大きさの硬いしこりができることがあります。痛みはないといわれています。

④血管炎
まれに関節だけではなく血管に炎症が起こることがあります。これは悪性関節リウマチと呼ばれ、太い血管に起これば心筋梗塞や間質性肺炎など、手足の細い血管に起これば皮膚潰瘍や神経炎などの原因となるとされています。
 
 

■診断方法

 
一般的な検査には、以下のようなものがあります。
①問診・身体所見
発熱や、食欲不振などの全身症状と関節症状を確認します。
②血液検査
免疫に関する項目(リウマトイド因子・抗CCP抗体など)や、炎症の指標(CRP・ 血沈)、軟骨破壊に関連する酵素(MMP–3)などの有無を確認します。
③レントゲン検査
手指の関節や腫れている関節の骨に、特徴的な骨びらん(骨がかけている所見)がないか確認します。関節リウマチの画像検査で最も重要とされています。
④超音波(エコー)検査
関節の炎症の状態を調べる場合があります。。
⑤MRI検査
滑膜や関節包、靭帯、軟骨などの軟部組織の状態を調べる場合があります。
 

診断は、症状ならびに血液やレントゲンなどの検査値をもとに総合的に行われます。最近では、より早期の診断を目指し、アメリカリウマチ学会 ( ACR ) /ヨーロッパリウマチ学会 ( EULAR ) による分類基準が用いられています。

 

 

■治療方法など

 
主な治療法には、以下のようなものがあります。
【薬物療法】
①抗リウマチ薬
免疫の異常に作用して、病気の進行を抑える働きがあります。治療の第一選択薬とされています。
②生物学的製剤
炎症に関係する物質に働きかけ、免疫異常を改善し、炎症や関節破壊を抑える作用があります。
③消炎鎮痛薬
関節の腫れや痛みを和らげる働きがあります。
④ステロイド
炎症を抑える作用が強力で、関節の腫れや痛みを和らげる働きがあります。消炎鎮痛薬や抗リウマチ薬を用いても、炎症が十分に抑制できない場合に用いられることがあります。糖尿病や骨粗鬆症などを引き起こす恐れがあるため注意が必要だといわれています。
⑤その他の薬剤
関節に注射するヒアルロン酸製剤やJAK阻害薬と呼ばれる経口の関節リウマチ治療薬があります。
 
【リハビリテーション】
関節の動く範囲を広げて血流を改善し、痛みや筋肉のこわばりをとるための運動療法、患部を温めて痛みやこわばりを和らげる温熱療法などがあります。
 
【手術療法】
増殖した関節の滑膜を取り除く滑膜切除術、破壊された関節を人工関節に置き換える機能再建術などがあります。

 

 

■お勧め運動メニュー

 

 

 

 
 
 
 
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。

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