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病気辞典

硬膜下血腫

■原因

 

硬膜は頭蓋骨の内側にある膜で、この硬膜の内側で出血した血液が溜まって固まったものが硬膜下血腫と呼ばれています。
硬膜下血腫には、急性と慢性の2種類があります。
 
【急性硬膜下血腫】
頭を打つなどの外傷が原因で硬膜の内側で出血が起こると、出血した血液が硬膜の直下で脳と硬膜の間に溜り、短時間のうちにゼリー状に固まって、脳を圧迫してしまいます。脳の損傷が強くなくても、頭部に大きな力が加わって、脳の表面の血管が傷つき出血することで起こる場合もあるとされています。
 

【慢性硬膜下血腫】
一般的には60歳以上の高齢者に多く、頭を打ったあとや、しりもちなどで脳が揺り動かされたあと、2週間から3ヵ月の期間に起こるといわれています。
膜と脳との隙間にじわじわと少しずつ血が貯まり、血腫ができるのが直接的な原因といわれています。

 

 

■主な症状

 
【急性硬膜下血腫】
出血量が少なく軽症の場合には、自覚症状がないこともあります。出血が多く、脳を強く圧迫する場合には命の危険があり、救命のために緊急の手術が必要になることがあります。
以下の症状が、頭を打った直後や数分〜数時間後に出現することが多いといわれています。
・強い頭痛
・呼びかけに反応しない
・瞳孔が大きくなる
・手足の麻痺症状が出る
 
【慢性硬膜下血腫】
一般的に、脳卒中(脳梗塞や脳出血)とは違い、症状はゆっくりと出現し進行して行きます。血腫を除去することで、基本的には後遺症を残すことなく症状は改善するといわれています。
頭を打ってから2週間から3ヶ月程度遅れて以下のような症状が出てくることが多いといわれています。
・頭が痛い
・ぼんやりしている
・手足が動かしにくい
・舌がもつれる
・手足がしびれる
・言葉がでにくい
・痙攣が起こる
・物忘れがひどい

 
 

■診断方法

 
一般的に、以下の検査が行われています。
①頭部CT検査
出血の量や脳がどのくらい圧迫されているかなどを調べます。
 
②頭部MRI検査
頭部CT検査では判断がしづらい場合に行うことがあります。

 

 

■治療方法など

 

【急性硬膜下血腫】
出血の量が多く症状が重い場合は手術が行われる場合があります。症状が軽い場合、手術は行わないこともあります。
①血腫除去術
血腫がある側の頭皮を大きく切り、頭蓋骨の一部を外して、血腫を吸引して除去します。
 
②外減圧術
手術後に脳が腫れることが予想される場合に、外した頭蓋骨を戻さない状態で頭皮を縫合します。頭蓋骨が一部ないので、脳が腫れても圧力を逃げていき脳の圧迫を予防します。
 
③緊急穿孔術
急激に意識状態が悪化していく場合に、救急処置として行われる場合がに選択されることが多いです。
頭蓋骨と硬膜に2cm程度の小さな穴をあけ、圧力を逃がします。その後手術室に行って通常の血腫除去術を行います。

 
【慢性硬膜下血腫】
一般的な治療法は、手術療法となっています。手術で血液の固まりを取り除くと脳の圧迫がとれて症状が改善します。他の治療として保存的治療やリハビリテーションも重要だといわれています。
①手術療法(穿頭血腫除去術)
血の塊を手術で取り除きます。
 
②保存的治療
血の塊が自然に吸収されるのを待ちます。
 
③リハビリテーション
治療後にも手足の動かしにくさなどの症状が残った場合に行うことがあります。

 

 

■お勧め運動メニュー

 

 

 

 
 
 
 
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。

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