■原因
多くの場合の原因は、血管が詰まってしまう動脈硬化だといわれてます。動脈硬化を起こす主な原因は、高血圧・糖尿病肥満・脂質異常症などが挙げられます。これらの生活習慣病がある人や、喫煙やストレスにさらされた生活をしている人は、血管が傷つきやすくなります。これらの要素が多ければ多いほど、狭心症の危険性が高くなるといわれています。
■主な症状
狭心症の典型的な症状は、締めつけられるような胸の痛みといわれています。圧迫されるような痛みが、通常は数分から10分ほど続きます。運動した時や興奮した時に起こりやすく、少し休めば心臓の状態が回復します。
狭心症による症状は通常数分以内に収まりますが、放置すると冠動脈が完全に詰まる“心筋梗塞”を引き起こす可能性があるため、危険な病気の1つと考えられています。
胸の痛み以外にも、のどや奥歯、腕、背中、みぞおちなどが痛む放散痛(関連痛)という症状が現れることもあります。肩こりや胸焼けなどが起こることもあります。
また、以前は問題のなかった軽い運動時や安静時に発作が起きたり、痛みの持続時間が長くなったりする場合は、狭心症の中でも短期間で心筋梗塞へ進行する可能性の高い不安定狭心症で、特に注意が必要だといわれています。
■診断方法
一般的な検査や診断方法には、以下のようなものがあります。
・心電図…心筋の電気的な活動の状態を見ます。
・運動負荷心電図…発作時の状態を調べるために、運動をしている状態で心電図を測定します。
・ホルター心電図…小型の電極を胸に取り付けて日常生活中の長時間の心電図を調べる検査をすることもあります。
・心エコー…心臓の動きを確認します。
・カテーテル検査…手足の動脈から心臓の冠動脈へカテーテルを挿入し、冠動脈に詰まりがないか調べます。
・冠動脈造影検査…手足の動脈から心臓にカテーテルを挿入し、そこから造影剤を流し込むことで冠動脈の状態を調べます。
・血液検査…コレステロール値や血糖値などを調べます。
■治療方法など
・薬物療法…発作時に使用するニトログリセリンや、発作を予防する硝酸薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、抗血小板薬などがあり、狭心症の種類や症状により使い分けられています。
・カテーテル治療…カテーテルを用いて狭くなった冠動脈を風船で広げたり、冠動脈にステント(網目状の筒)を挿入したりする治療を行うこともあります。薬物療法では発作が抑えられないケースや、心筋梗塞に移行するリスクが高いケースなどで行われることが多いです。
・冠動脈バイパス術…足や胸、腕、胃などの動脈を採取し、狭くなった冠動脈にバイパス(迂回路)を作成する治療を指します。カテーテル治療が困難な場合や冠動脈が狭くなっている部位が複数ある場合などに行われることがあります。
■お勧め運動メニュー
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。