■原因
好発は40~60歳代で女性にやや多くみられます。食の欧米化による糖質や脂質の摂りすぎが大きな原因の1つといわれています。
胆汁中に溶けているコレステロールやビリルビンなどの物質が胆汁中に過剰に排泄したり、胆道感染などにより胆汁中に溶けきれなくなり、結晶になるのが直接的な原因とされています。
■主な症状
一般的な症状として、以下のようなものがあります。
①胆道痛
胆石症の特徴的な痛みで、右の肋骨の下やみぞおちの痛みや右肩に放散する痛みが出ることもあります。この痛みは食後に出ることが多いのも特徴とされています。自然に数時間でスーっと治まる場合もあります。
②黄疸
皮膚が黄色くなり、痒くなることもあります。ビリルビン尿という褐色〜黒色の尿が出たりします。
③高熱
胆石が原因で胆のうや胆管に炎症が起きて、発熱することがあります。
④吐き気や嘔吐
⑤身体の倦怠感
胆石症になっても、2~3割の人は症状がみられない場合もあります。このような場合は慌てて治療をする必要はないといわれています。
■診断方法
一般的な検査には、以下のようなものがあります。
①超音波(エコー)検査
胆石症の検査の中で最も標準的な方法とされています。胆のう結石や肝内結石をほぼ確実に描出できるといわれています。。
②CT 検査
石灰化胆石の検出や胆のう周囲の炎症の有無を確認します。造影剤を点滴しながら撮影することもあります。
③MRCP(MRI)検査
超音波検査による診断が難しい場合に行うことがあります。
④内視鏡検査
胃や十二指腸から胆のうや胆管に向けて超音波をあてて観察します。
⑤血液検査
炎症反応や肝臓系酵素(AST、ALTなど)や胆道系酵素(ALP、LAP、γ-GPT)の上昇やビリルビン値(黄疸の指標)をみます。
■治療方法など
外科手術が根治手術として第一選択となっています。腹腔鏡下手術と開腹手術があります。
【腹腔鏡下手術】
お臍辺りに小さな穴をあけ、そこから器具を入れて、力メラで観察しながう胆のうを切り離し、体外へ取り出す手術が一般的です。
傷はほとんど残らす、大抵の方が1週間程度で退院できるといわれています。
【開腹手術】
炎症などによる胆のうの癒着や、胆のうがんの合併が疑われる場合など、腹腔鏡での手術が難しい場合に行うことがあります。
【その他の治療法】
・胆石溶解療法
溶けやすい結石は内服薬(ウルソデオキシコール酸)によって治療をすることもあります。石が溶解するまでに1年ぐらいかかるといわれています。
・体外衝撃波胆石破砕療法(ESWL)
体の外から衝撃波を胆石に照射して胆石を砕く方法です。
また、炎症が強いときには胆のうに管を入れて感染した胆汁を抜くこともあります。
・食事療法
コレステロールや脂肪分の多い食事を控えることが大切だといわれています。特に水溶性の食物繊維が含まれているもの(豆類、ブロッコリー、にんじん、さつまいも、りんご、バナナ、オレンジ、グレープフルーツなど)はコレステロールの吸収を抑えたり、コレステロールを含んだ胆汁を排泄させる働きがあるとされています。
■お勧め運動メニュー
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。