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病気辞典

肝硬変

■原因

 

最も多い原因は肝炎ウイルスだといわれています。A型、B型、C型のウイルスによる感染がほとんどとされています。その他、EBウイルス(エプシュタイン-バールウイルス)、アルコール、薬物、自己免疫なども原因になることがあります。

 

 

■主な症状

 
肝臓が炎症と修復を繰り返すうちに徐々に硬くなった状態を肝硬変と呼びます。進行度合いによって、以下のように分類されています。
【代償性肝硬変】
肝臓の機能が保たれている初期段階のことを指します。基本的に無症状ですが、以下のような症状が現れることがあります。
・食欲不振
・全身の倦怠感
・体重減少
 
【非代償性肝硬変】
肝硬変が進行した段階のことを指します。以下のような症状が現れることがあります。
・黄疸:ビリルビン(肝臓で代謝される黄色い色素)が体内で増加することで皮膚や白目が黄色くなったり、身体が痒くなります。
・低栄養:肝臓の機能が低下するため、エネルギー源を変換する力が低下します。
・肝性脳症:血液中に有毒なアンモニアが増え、見当識障害、せん妄、意識障害などの様々な症状が現れます。重症の場合には昏睡状態に陥ることもあります。
・羽ばたき振戦:肝性脳症の症状のひとつで、鳥が羽ばたくように手が震えます。
・腹水・浮腫:血液中のタンパク質(アルブミン)が減少することで、血液の成分が血管外へ染み出して起こります。
・くも状血管拡張:首や前胸部、頬に赤い斑点ができます。
・手掌紅斑:掌の両側(親指と小指の付け根)が赤くなります。
・ばち指:手足の爪が太鼓の撥(ばち)のような形状になります。
 
 
■診断方法

 
一般的な検査として、以下のようなものがあります。
①血液検査
血小板数やアルブミン、プロトロンビン時間が異常値となっている場合は肝硬変が疑われます。
②腹部超音波検査(エコー)
超音波で肝臓の中を観察する検査です。肝臓の形や凹凸の有無、腹水の有無などを中心に調べます。
③CT検査
肝臓の形や大きさを調べます。また、肝臓がんの発生の有無を調べることが出来ます。
④フィブロスキャン
体外から肝臓に振動波をあてて、その伝わりかたから肝臓の硬さを数値で表す検査です。
⑤肝生検
肝臓の一部を針で刺して、組織を採取し、顕微鏡で観察します。炎症の強さや線維化(硬さ)の程度を診断します。

 

 

■治療方法など

 
肝機能の悪化をくい止め、現在の状態を維持することが治療の目標とされています。重症度や、原因、患年齢、生活環境によって治療法は様々です。
 
【代償性肝硬変】
①薬物療法
B型・C型肝炎ウイルスが原因の場合、肝炎ウイルスに対する薬物療法が重要だといわれています。抗ウイルス薬によって肝炎ウイルスを排除したり、増えるのを抑えたりして、肝臓の炎症を抑えます。
抗ウイルス薬が効かない場合や使えない場合には、病気の進行を抑えるために、肝細胞が壊れるのを抑える薬の内服又は注射を行うこともあります。
②食事療法
強い制限はなく、タンパク質が不足している場合には、特殊アミノ酸製剤などを服用し栄養状態の改善を行い、十分なカロリーを摂取します。
③運動療法
筋肉の維持が大切となるため、適度な運動を行うことが必要とされています。
 
【非代償性肝硬変】
代償性肝硬変の治療法に加え、食事療法や栄養療法により栄養状態の改善を目指します。また、合併症の治療も行っていきます。
①栄養療法
タンパク質の過剰な摂取は、アンモニアが増えすぎるので肝性脳症の予防・軽減の為に制限を行う場合があります。
また、腹水がある場合、食事中の塩分は6g/日以下、飲水は1L/日程度とすることもあります。利尿薬を投与する場合、尿量が増加することで急性の脱水、低ナトリウム血症、低カリウム血症が起こりやすくなるため注意が必要です。
②体重測定
腹水貯留や浮腫、脱水などの変化に早く気付き速やかに対処するために行うことがあります。

 

 

■お勧め運動メニュー

 

 

 
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。

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