B&B 情報広場

病気辞典

静脈血栓塞栓症(肺塞栓症・深部静脈血栓症)

■原因

 
①血管が傷ついたり②血液の流れが悪くなったり③血液自体が固まりやすくなったりするという三つの状態が、静脈血栓塞栓症を起こしやすいといわれています。
 
【深部静脈血栓症】長時間足を動かさない、外傷や手術で血管壁に傷や炎症が起きた、癌や膠原病など病気や薬の副作用などが原因で起きることがあります。
 
【肺塞栓症】
深部静脈血栓症で出来た血栓が血流にのって肺に移動し、肺の動脈が詰まることで起きるといわれています。

 

 

■主な症状

 

【深部静脈血栓症】
完全に血管が詰まる場合は足の浮腫、痛み、皮膚の変色などが出やすいですが、血栓が小さかったり血管の中で血栓が浮いている場合は自覚症状がないことがほとんどだといわれています。
 
【肺塞栓症】
血栓が詰まる範囲が狭いと症状がない場合もありますが、範囲が広い場合には、胸の痛みや呼吸困難、冷や汗、動悸、失神などの症状が起きることがあります。また、より太い肺動脈で血栓が詰まると死に至る場合もあります。
 
 

■診断方法

 
一般的に、以下のような検査が行われています。
①血液検査
血栓が作られたり溶解したりすると作られる成分凝固線溶マーカー(D-ダイマー)の上昇の有無を確認します。
 
②超音波検査
どの部位にどのくらいの血栓が存在しているのかを評価することができます。
 
③造影CT検査
血管内に造影剤を注入し、どの部位にどのくらいの血栓が存在しているのかを評価します。1回の検査で深部静脈血栓症と肺塞栓症を一度に確認できるなど、機器の性能向上もあって非常に有用な検査だといわれています。
 

 

■治療方法など

 

一般的に、抗凝固薬という血をサラサラにして固まりにくくする薬が治療の主となります。ほとんどの症例では、抗凝固薬のみで治療を行うことが出来るといわれています。
より重症となれば、血栓を溶かす薬が必要となったり、大きな血栓が肺動脈に移動するのを予防するためのフィルターという治療器具を腹部の太い静脈の中に留置したり、カテーテルを用いて肺動脈の血栓を破砕したりする治療の追加が必要になる場合もあります。
 
入院や手術後などで深部静脈血栓症のリスクが高い場合、以下の予防を行うのが一般的です。
①早期離床
歩行によって下腿の筋肉ポンプ作用が働き、下肢の静脈うっ滞を減少するといわれています。
 
②積極的運動
早期離床ができない場合は、かかとの上げ下げや足首の運動を行い下腿ポンプ作用を促進するといわれています。
 
③弾性ストッキングや包帯
深部静脈に圧を加えて血流を促進するといわれています。
 
さらに、水分が不足すると静脈血栓塞栓症を起こしやすくなってしまうので、なるべく水分をとるよう心がけることも大切です。

 

 

■お勧め運動メニュー

 

 

 

 
 
 
 
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。

循環器の一覧へ戻る

▲TOP