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病気辞典

橋本病

■原因

 

甲状腺自己抗体により甲状腺が慢性的に破壊され、進行するとホルモン分泌が低下する自己免疫疾患といわれています。
甲状腺機能低下症※)の原因の多くを占めるもので、慢性甲状腺炎とも呼ばれています。
 
原因はわかっていませんが、橋本病を持っている人が強いストレスや妊娠、出産、ヨード過剰摂取(海藻類、薬剤、造影剤など)等をきっかけとして甲状腺機能低下症を発症し、橋本病が明らかになるのではないかと考えられています。
特に30代~60代の女性に発症することが多いといわれています。
 
 
※甲状腺機能低下症…一般的に血液中の甲状腺ホルモンが不足した状態をいいます。

 

 

■主な症状

 
一般的に、以下のような症状があるといわれています。
①甲状腺の腫れ(甲状腺腫)
個人差がありますが、甲状腺腫は比較的硬く表面がゴツゴツしていることが多いといわれています。
 
【甲状腺機能低下症による症状】
①浮腫
新陳代謝が低下する為に全身に浮腫みが起こる場合があります。特に起床時に手や顔が浮腫み、昼頃になると少し改善する傾向があります。
唇・舌・喉の奥の粘膜の浮腫みがあると、声がかすれたり喋りくくなることもあります。
 
②皮膚症状
新陳代謝が低下するため、皮膚が乾燥しカサカサしたり、髪の毛が減る場合があります。
また、全身の熱の産生が減ることで汗が少なくなったり、寒さに弱くなることがあります。

 
④食欲がないのに体重増加
胃腸の働きが悪くなるため食欲が減りますが、浮腫みが起こるため体重が増えたりすることがあります。また、お腹が張って便秘になる場合があります。
 
③徐脈
心臓の動きが遅くなり、脈の回数が少なく弱くなることがあります。甲状腺機能低下症の程度が強い場合には、心臓を包む袋(心嚢)に水がたまり、心臓が大きくなることもあります。
 
④無気力
忘れっぽくなったり行動的ではなくなることがあります。すぐ眠くなったり、口がもつれる、ゆっくりした話し方になる場合もあり、認知症やうつ病と間違われることがあります。
 
⑤筋力の低下や肩こりがひどくなることがあります。
 
⑥月経過多や長く出血することがあります。
 
⑦血液値の異常
コレステロール上昇、肝障害、貧血がみられることがあります。

 
 

■診断方法

 
一般的に、以下のような検査が行われています。
【血液検査】
①甲状腺機能検査
甲状腺ホルモン(FT3、FT4)濃度と甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定をします。甲状腺ホルモン値が低下すると、血中コレステロール値が高くなることがあります。
 
②抗甲状腺抗体
甲状腺に対する自己抗体である抗サイログロブリン抗体(TgAb)、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)の有無を確認します。
 
【超音波検査】
甲状腺の腫れの有無や程度、腫瘍の合併の有無を確認するために行うことがあります。

 

 

■治療方法など

 

甲状腺機能が正常な橋本病では治療の必要はなく、年1回程度の定期的な検査で経過を観察するのが一般的です。
甲状腺機能低下症がある場合や甲状腺刺激ホルモン(TSH)が10U/ml以上場合、高コレステロール血症を伴う場合などには、適切な量の甲状腺ホルモン薬を内服し、足りないホルモンを補充することのが一般的な治療法です。
 
 

 

【日常生活の注意点】
倦怠感などの甲状腺機能低下症状が強い場合は、治療によって甲状腺ホルモンが正常になるまでは、あまり体に負担がかからないようにすることが大切だと考えられています。
昆布やひじきなどの海藻類等にはヨウ素が大量に含まれているため、過剰に摂取することは避けた方が良いといわれています。

 

 

■お勧め運動メニュー

 

 

 

 
 
 
 
※本記事はこちらの資料を参考に作成しています。

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